キットやモジュールでDACを組む遊びをしてるうちに、DACチップによっては、マジ自作できるなこれ!と思えてきた。実際にチップを購入し、ブレッドボードで作ってみる。 ちな、チップは慣れ親しんだ、PCM5102Aを使うことに。
PCM5102A
PCM5102Aは、MCKをプルダウンしておくと、BCKを分周してMCKを自前で生成する機能がある。そのためラズパイ向けDACボードに多く採用されてる。PCM384KHz/32bitまで対応。ダイナミックレンジ/SNRは112dB。DSDは対応してないけど、ハイレゾDACとして十分だよね。
DACチップの入手は国内通販でも可能だが、単価と送料が高い。なので、いつものAliexpressを利用した。
お店は、High quality and service of IC electronic components
PCM5102A ロット5個で13.04ドル(送料込)
発注からshippedまで4日、受取まで計29日。わりとかかった。
緩衝材封筒で、玄関手渡しで受取サイン要だった。
一個あたり、約270円弱。
参考までに検索にかかる国内通販だと、1個1000円超えで送料別。
2018.3.20↓追記
2018年3月現在、チップ同梱のDIP化キットが秋月さんより500円で発売されている情報をいただきました。中華通販に抵抗がある方には、朗報ですね。くわしくは、下の情報提供コメント参照。
ピッチ変換
SSOP20pin、表面実装0.65mmピッチ。やっぱ、小さいっす。
なので、まず初めにピッチ変換基板に貼り付けて、2.54mmピッチの基板やブレッドボードで扱えるようにしてしまう。(ちな、この変換基板もaliexpressで購入)
フラックスペタペタ塗って、はんだを大胆にベタっと染み込ませて、またフラックスペタペタ塗って、はんだ吸取線をはんだ面の上からあてて、余分なはんだを吸取る。
あと足つければ、出来上がり!
ここまでできたら、あとは、勢いでできる気がしてくる。(´・ω・`)
回路
TIからPCM5102Aのデータシートを取り寄せる。
データシート見てて、関心したのは、チャージポンプで自前で負電源作ってること。そうだよな、たしかに単電源で動く手軽さも魅力だ。
さらに流し見るとリファレンス回路が載っていた。てっとり早く、MM510ピーーーの回路をパクろうかと思ってたくらいなので、良かった。
電源(デジタル用、アナログ用)、チャージポンプ、アナログ出力、残りは機能信号線。使わなければGNDに落とすのね。LPFのところとか、めっちゃ見覚えある。
あらためて思うのは、機能的にはDACチップでほとんど完結してて、周辺ですることほとんど無い。その名もDACだし、あたりまえか。
よし、このとおりに、ブレッドに載っけてみよう。
パーツ配置
ピッチ変換基板、幅が広いので、ブレッドボードの列けっこう使ってしまう。工夫して基板の裏に配線したりしながら、粛々と部品を配置していく。電源周りの電解コンデンサはオーディオ用を使って、LPFのところはフィルムコンデンサにしてみたり、気持ちこだわりを入れてみた。
それでも、アナログ出力のところ収められず、ブレッド2枚になってしまった。
一応、電源ラインは左デジタル、右アナログで分けてみた。
音出し
ラズベリーパイで鳴らしてみる。例のごとく、1の+なし。
volumio1.55のI2Sドライバーは「Hifiberry」
というか、この設定固定で置いてある実験パイ。(´・ω・`)
粛々と配線、MCK(PCM5102Aの表記はSCK)は、プルダウンしておく。
デジタル側の電源はラズパイの3.3V、アナログ側の電源はブレッドボード電源モジュールから3.3Vを供給するようにして、一応分けた。
ラズベリーパイに給電し、volumioを起動。
あ、volumioの起動音、鳴ったし。
一発通し。自分の器用さが恐ろしい。(´・ω・`)
いくつか楽曲を鳴らしてみる。うん、ハイレゾなクリアな音。強いて言えば、リバーブが少しクドく聴こえるか?
他のDACと聴き比べてみよう。部品とか気軽に取っ替えられるのも、ブレッドボード自作のメリットだ。と言っても、聴き変わるような部品って、LPFのところぐらいかな。
まとめ
自作DACにPCM5102Aは、お手軽ではないかと思う。これより高性能なものは、ピン数がどんどん増えて、困難度が上がる。
まぁ半年ぐらい前の知識ゼロの自分からすると、自作なんて考えられなかったけど、いろいろ積み上げていくと、敷居はさほど高くないと実感。特にPCM5102Aで作る場合、ちょっとした電気工作の延長と変わらない。
USBで鳴らす場合、DACとは別にDDCが必要になるが、これはモジュールで買っておけば良いと思う。
産むが易しとはこのことだなぁ。
-- 以下、後日追記 --
リバーブがクドく聴こえた件、たまたまそのとき聴いた音源の特徴だった。
他のPCM5102AのDACと聴き比べても、差を感じることはなかった。
この最近のハイレゾ音源として売ってる音源、リバーブがクドいのなんとかならないものか。あるハイレゾ楽曲発売のときのイベントに参加したとき、マスタリングした音響技術者の講演があったのだけど、いきなりリバーブ自慢だった。挙げ句の果て、定位を上に持ち上げたとも自慢していた。それも、案にエフェクト自慢。
ハイレゾってそういうことなのか?
わからないでもないところもある。お気にの某バイオリン演奏者のライブにいったとき、普通に楽器の音はマイクでひろって、エフェクター通した音がスピーカーから流れてくる。そのエフェクターは音源に使われてるものと同じ。つまり、生楽器、生声でも、エフェクターありきの世界。
できれば、ハイレゾというからには、超演奏テクや激Voを肌で感じることができるような音源をお願いしたい。
今でも、Linnのスーパーサンプラーシリーズのいくつかの曲きくと、鳥肌が立つ。エフェクタ使われてるだろうけど、まったく気にならず、生生しく聴こえる。
そんな感覚は、最近の音源で味わうことができない。
(´・ω・`)なんか、らしくない偉そうなこと書いてしまった。。。